ソフトボール女子決勝・厚木商―須磨ノ浦　タイブレーク８回表、犠飛で１点を失ったが高村唯（右）と竹林綾香の須磨ノ浦バッテリーは互いに励まし合う＝千葉県成田市大谷津運動公園野球場（撮影・神戸新聞・辰巳直之）

神戸新聞掲載記事より

　「これが、自分たちのやってきた結果。認めなさい」。試合後、池田監督はナインを諭した。ソフトボール女子で、６年連続８度目の出場で、初めて決勝に進んだ須磨ノ浦。春の全国選抜大会決勝で敗れた厚木商（神奈川）と再び顔を合わせたが、雪辱はならなかった。だが、２回戦を除く５試合を投げ抜いたエース高村は「気持ちは負けてなかった。悔いはない」と言い、前を向いた。
　 散発４安打。大一番で力んだ打線は、高村の好投を援護できなかった。１点を先行されて迎えたタイブレーク八回裏。一死三塁の好機に、指名選手の李主将は指揮官から「これが最後だ」と背中をおされて打席に入った。が、意気込みもむなしく、空振り三振。続く木村も内野ゴロに倒れた。
　 李は「厚木商だけは倒したかった。ピッチャーが頑張ってくれたのに、点を取れず申し訳ない」と泣き崩れた。「来年はここで優勝して先生を胴上げしてほしい」と後輩たちに夢を託した。
　 頂点にこそ届かなかったが、１回戦では高村がノーヒットノーランを達成。準々決勝では前回覇者の地元・木更津総合を下した。多くの経験を積んで決勝の舞台に立ったことは、誇っていい。