月例礼拝を行いました。

9月8日(金)親鸞聖人御命日の月例礼拝を行いました。

アリーナに全校生徒が入場し、礼拝を行いました。
法句経の朗読の先唱は、3年6組の委員長 梅谷 咲菜(うめたに さな)さんです。緊張しながらもしっかりと朗読することができました。

本日の法話は進路部長の楠木孝一朗先生です。
十数年前の一人の生徒の話をしてくださいました。
彼女のお母様も本校の卒業生で、「たしか須磨ノ浦の授業の中で、生徒が集い、お話を聞く時間がありませんでしたか。もしその機会にそこで娘の話をしてもらえませんか。」とおっしゃったそうです。

その生徒は1年生の時に、先生が初めて担任をされたクラスの生徒で、先生からのすすめもあってクラスの委員長をしていました。
いろいろと苦労することもあったそうですが、彼女と副委員長と一緒にクラスをまとめていき、コーラスコンクールでクラスが一つになった歌声を聞いた時、感動で涙がこぼれたそうです。
2年3年は担任ではなくなったそうですが、校内で出会うと必ず「先生、元気?ともは元気やけどな」と大きな声で、声をかけてくれたそうです。
なぜかその生徒とは卒業後も町中で出会うこともたびたびあり、その度に「先生、元気?ともは元気やけどな」と声をかけてくれたそうです。
そのため、先生も時々「とも、元気にしてるかな。」と頭によぎっていました。
ところが、昨年の8月にお母様から学校に電話があり、「先生、とも、亡くなったんよ。線香あげに来てくれへん。」と・・・。

先生は半信半疑のまま、当時のクラスメイト数名と一緒にご自宅に伺い、遺影を見て初めて「ほんとうに亡くなったんだな」と思ったそうです。
その遺影に向かってお母様が「ともちゃん、先生とお友達、来てくれたよ。いっぱい来てくれたよ。」と声をかけられ、またその笑顔いっぱいの遺影を見ると、涙が止まらなくなったそうです。

そして、お母様から「須磨ノ浦の在校生の皆さんにともちゃんの話しをしてくれませんか」と。
先生は、当時のクラスメイトと、お母様からのお手紙を紹介してくださいました。

お手紙 「ともへ」 知世の母 瀬尾まゆみ

ともへ

ともがいなくなってから一年がすぎ…。
もう一年か…と思う気持ちと、まだ一年しかたってないのか…と思う気持ちです。
一昨年の春、ともから「胸にしこりがあって病院に行ってきたい」と聞いた時は、
まさか一年三ヶ月後に命をうばわれる事になるなんて想像もしてなかった…。
痛くて辛い検査がはじまり、病院の廊下で待つ事しかできない
お母さんは何もしてあげられず、ただただ結果が軽く治療するだけで治るようにと願う事しかできなかった…。
そして検査の結果は「乳がんステージ4…もう完治する事はありません。余命3ヶ月…」
と言われた時は頭がまっ白になり、うそでしょ?まさかともが?と絶望でした。
一番つらいのは、とも本人なんだから母親である私が泣いてばかりではいけないと思い、必死で名医を探し、セカンドオピニオンをして、
ともと共に完治目指して、がんと向き合ったね。
つらい抗がん剤治療…長くてきれいな髪の毛もすべてぬけてウィッグ…
そして何より女性としてつらい片胸の切除…一生懸命がんばったのに更にまた転移…。
ともはお母さんの前では一切弱音をはかなかったけど、心身共に限界だったと思う…。
お母さんに心配かけたくないからいつも明るく笑顔でいてくれた…。
主治医・看護師さんを信じ、がん細胞をやっつけるためにがんばったね。
…でも…ともとの別れは突然やってきました。
治療をはじめて一年三ヶ月後の令和四年八月一五日…天国へと旅立ちました。
もう、ともから「お母さん」と呼んでもらう事も、一緒に買い物や旅行へ行く事もできないのかと思うと、つらくて苦しくて悲しいです。
お母さんは、この現実をいまだに信じられないというか…信じたくないし、受け入れたくないから、ともは少し遠い所へ旅に行ってるだけ…
今はあえないけど、またいつかあえる!…と自分に言いきかせています…。
だから「さよなら」は言いませんよ。
とも…ともには感謝の気持ちしかありません。
ともとすごした三〇年間は本当に充実していて楽しかった。
お母さんの子どもで生まれてきてくれてありがとう。
これからもずっとずっとお母さんの子どもよ。
私にとって、ともは自慢の娘よ。
心からありがとう。
そして最後に須磨ノ浦の生徒のみなさん…
「病」は人ごとではありません…。
「病」は年齢順でもありません…。
どうかご自身を大切にし、健康に気をつけ、これからの長い人生を
楽しく送っていただきたいと思います。

                     知世の母
                         まゆみ


最後に、楠木先生から
「皆さんも日々の健康に感謝し、毎日を大切におくってください。どうか自分を大切にしてください。」と語りかけられました。
ともちゃんの想い、お母様の想い、楠木先生の想いがアリーナいっぱいに広がりました。

全校生徒で恩徳讃を斉唱し、合掌・礼拝しました。

楠木先生、ありがとうございました。
お母様、ありがとうございました。
ともちゃん、ありがとうございました!