新体操部 全国選抜大会 鈴木菜巴(1年)完全優勝!漆原沙和(2年)8位入賞 団体8位

3月24日から北海道で行われた全国選抜大会において新体操部1年 鈴木菜巴さんが完全優勝をはたしました。漆原沙和さんが8位入賞(フープ5位、クラブ4位)、団体競技8位と須磨ノ浦が全国の舞台で快挙を達成しました。

【岡本菜穂子監督からのメッセージ】

全国選抜大会の応援本当にありがとうございました。
新体操部として個人競技で全国制覇出来たのは、もちろん初めての快挙です。この104年、部員の努力により全国大会連続出場を果たしてきましたが、今回の結果を期にまた新たな出発点にしたいと思っています。部員一同誇りと自信を持つと共に、次は団体で全国制覇できるよう目標を定め、今後も精一杯頑張ってまいります。
応援よろしくお願いいたします。


【新体操全国選抜大会PHOTO】


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3月26日(金) 「新体操のWEBマガジン – Rhythmic Gymnastics Lovers」掲載記事より

無観客とはいえ、ついに開催された高校選抜大会。高校選抜は2年ぶり。
高体連の全国大会は2019年の高校総体以来、1年7カ月ぶりの開催となり、選手の顔ぶれもかなり変わり、ほとんどの選手にとってかなり久しぶりの全国大会だったと思う。取材で入った側も、いつものように直近の大会の成績や演技がほとんど浮かばない。ある意味、とても新鮮な気持ちで迎えられた大会だった。
その記念すべき大会を制したのは、女子が鈴木菜巴(須磨ノ浦高校)、男子が中野幸太郎(坂出工業高校)だった。
鈴木菜巴は、まだ高校1年生だが、昨年はユースチャンピオンシップから全日本選手権にも進んだ選手で、全日本選手権でも5位。優勝候補の大本命ではあった。1種目目のフープは、以前からやっていた作品だと思うが、小柄でキュートなこの選手の雰囲気によくマッチしたかわいらしい曲で、持ち味である巧みな手具操作、流れるようにスムーズな演技が冴え、18.400。この種目トップに立つ得点が出たが、この時点では優勝候補の一角と目されていた鈴木希歩(常葉大常葉高校)とは1.15差。4種目を1日で行う苛酷なスケジュールの高校選抜。残り種目どうなるか予断は許さない点差だった。しかし、鈴木菜巴の2種目目ボール。この演技が、彼女の優勝を決定づけたように思う。それほど素晴らしく、鮮烈な演技だったのだ。現在の女子新体操のルールは、ADが限りなく入れられ、できればそれが点数につながるため、どの選手の演技も非常に忙しいものになってきており(上位選手ほどその傾向にある)、「技ばかりで面白くない」「芸術性のかけらもない」という批判的な声も少なくない。たしかにそういう面があることを否定はできない。鈴木菜巴も、身体能力、手具操作能力ともに高いだけに、ジュニア時代から高い評価は得てきた選手ではあるが、「今のルールに合った選手」だからという面があったと思う。失礼な言い方になるが、表現力があるとか、芸術性が高いというタイプではないように見えていた。ところが、このボールの演技はまったく違っていた。いや、いつもとおりの超高難度演技で、ほぼ切れ目なく技が詰め込まれていたのは変わりない。「え、そこでも?」というくらいに操作が隙間なく組み込まれていて、おそらくとてつもなく慌ただしい演技なのだ。が、それがまったくバタバタして見えなかった。あまりにもスムーズにすべての要素が実施され、そのスムーズさゆえに、表現が浮かび上がってきたのだ。今までは淡々と見えがちだった、鈴木菜巴の演技に、今までにない色が見えた瞬間だった。
「これ、凄いものを見ている気がする」彼女の演技を見ながらそう直感したが、表示された得点は19.300! じつに1年8カ月ぶりに開催された高体連の全国大会で見られるとは予想していなかった高得点だった。このボールの演技で一気に、鈴木菜巴は「ノッた」。続く、クラブ、リボンとも危なげなく、そして今まで見た中では、もっとも表情豊かに彼女は演じ切り、終わってみれば4種目制覇の完全優勝だった。
2020年は、誰にとっても苦しい年だった。おそらく彼女も多くの目標を失い、ときには十分な練習ができなかったり、練習するためにも今まで以上の苦労を強いられたりしてきたに違いない。それでも、そんな苦難の1年間を経たあとに、この演技ができる。まさに「1年間を無駄に過ごしてこなかった」ことがその演技から伝わってきた。そして、鈴木菜巴の演技を見て、今のルールでも、ここまで演技をこなせるようになれば、ちゃんと表現が見えるのだという希望を感じることができた。ただ、演技の難易度が上がれば、余裕をもって実施できるまでに時間がかかる、その「時間がかかっている」状態が今であり、少し前までは鈴木菜巴もそこにいたのが、今回、ポンと階段を上がって見せてくれたように感じた。もちろん、そこに到達するまでには選手たちの気が遠くなるほどの努力が必要ではある。が、不可能ではないと、この選手の演技が教えてくれた気がする。それは今のルールに苦しんでいる多くの選手たち、指導者にとっても福音ではないか。2年ぶりの高校選抜。そこでは、苦しかった1年間も、苛酷なはずの今のルールも、たゆまぬ努力と工夫で乗り越えてきた選手の輝く演技を見ることができた。観客はいない、大喝采もない。女子特有の演技後の「よーし!」の声かけもない。それでも、ちゃんと演技は輝いて見えた。降り注ぐ拍手喝采も聴こえるような気がした。そんな大会だった。TEXT:Keiko SHIINA     PHOTO:Ayako SHIMIZU  「新体操のWEBマガジン – Rhythmic Gymnastics Lovers」


大会の動画を下記から見ることができます。大会のライブ映像から取得したため、音はありません。

【個人競技 完全優勝 鈴木菜巴 演技】




【個人競技 8位入賞 漆原沙和 演技】



団体競技 8位