「釈尊涅槃会並びに聖徳太子忌会」開催

2/14(金)、「釈尊涅槃会並びに聖徳太子忌会」が本校アリーナで行われました。
涅槃とは仏さまのお悟りのことで、釈尊が80歳でお亡くなりになりになった2月15日、また和国の教主と敬われた聖徳太子のご命日である2月22日を機縁に
仏さまのみ法をこの世に初めて広めてくださった釈尊と、日本に仏教精神を柱とする国作りが大切であるとお示しくださった聖徳太子のお徳を偲び、その御恩に感謝し、仏教徒としての自覚を新たにする法会です。

聖歌隊もこの日のために昼休みに練習を重ね、すばらしい歌声を響かせてくれました。

まずは生徒会役員による献灯・献花がおこなわれました。

ご講師に、浄土真宗本願寺派布教使・西法寺(兵庫県尼崎市)住職、岩田紘昭先生をお招きし、お話を伺いました。
まず、本日はバレンタインデーということで、バレンタインデーがどのような経緯で生まれた行事なのかをお話いただき、宗教行事が私たちの身近にあるものだということを教えてくださいました。。


先生のモットーは「順縁・逆縁みなご縁。同じ縁なら楽しまないと勿体ない」というもので、お釈迦様がお悟られた中で大切な教えである縁起の法についてご自身の体験を例にお話ししてくださいました。
縁起とは、「この世に存在するすべてのものは、必ず原因(直接的)と条件(間接的原因)が重なって生じる」という考え方です。つまり、原因+条件=結果ということでこの世が成り立っているということです。


先生はご自身が中学受験の時にお父様が大病を患い、大学院の時にはお母様も大病を患い、幼いころからご門徒様のお家へのお参りや、家事全般などを行うという、ヤングケアラーとしての生活を長年過ごされていました。
近年、ヤングケアラーは社会問題にもなっており、先生も朝早くからお参りに行き、その後大学へ行き、夕方はお母様の入院している病院へいってから食事の買い出しに行って自宅に戻り、夕食を作るという大変過酷な生活だったとのことです。
このような生活の中で先生は逆縁の有難さを感じたそうです。逆縁とは自分にとって悪いことや不利なことがおきたことをきっかけとしてよいものにしていくというものです。
浄土真宗の宗祖である親鸞聖人も、京都から越後への流罪を、「お念仏の教えが広まっていない地域へ赴くことはまことにありがたいことだ」とおっしゃたそうです。
先生もヤングケアラーとしての生活の中で様々な人に支えられ、手を差し伸べてくれる人がいることに気づかせていただいたことは、過酷な生活であったからこその気づきであるとおっしゃっていました。
また、今までは自分のしていたことをご両親がしてくれていたのだという有難さを実感したそうです。

お話の中で先生は「当たり前の反対は有難い」ということをご自身の体験をもとにたくさん生徒に語りかけてくださいました。先生のお話を聞いて生徒の皆さんも人として生まれてきた有難さを実感したのではないでしょうか。

そして、3年生にとっては最後の大礼拝でした。卒業後も本校で学んだ仏さまのお話を折に触れて思い出してくれることを願っています。「あなたのままのあなたで」胸を張って進んでほしいと思います。
1年生、2年生は残りの高校生活で、礼拝や宗教の時間でふれる仏教について、より興味をもって聞いてもらえたらと思います。