【神戸新聞2023年4月12日掲載記事】
須磨ノ浦堅守でV奪還 全国高校選抜ソフトボール4年ぶり
視線は既に「春夏連覇」へ
鹿児島県で開かれた全国高校選抜大会のソフトボール女子で、兵庫県神戸市の須磨ノ浦が4年ぶり3度目の頂点に立った。全5試合無失点で、決勝は前回覇者を延長タイブレークで撃破。選手たちは「信じられない」と喜びに浸る一方、視線は既に夏へ向いている。
大会前のチーム状況は最悪だった。練習試合は失策が多く、好機でサインプレーが決まらない。池田紀子監督は「まとまりがなくてボロボロだった」と振り返る。
転機は3回戦だった。全国制覇の経験がある千葉経大付を相手に打線が爆発し、7得点で六回コールドゲーム勝ち。原海央主将が「自信につながった」という通り、勢いに乗った。準々決勝は本塁打の1点を守って競り勝つと、準決勝は五回コールドゲーム勝ちで弾みをつけた。
決勝は3連覇を狙う佐賀女に挑んだ。先発の左腕前坂未夢は毎回のように走者を背負いながら、「焦らず丁寧に」と落ちるボールを駆使して本塁は踏ませない。打線は無死二塁から始まるタイブレークの延長八回、2番木村有那の三遊間を破る適時打で1点をもぎ取った。池田監督は「負けないソフトボールができた。やればできると選手が成長してくれた」とたたえる。
投手陣はタイプの違う5人が登板。前坂は「ライバルではあるけど、アドバイスし合ってお互い支えになっている」と競争をプラスに捉える。チームは冬場の走り込みで下半身を強化し、伝統の堅守に加えて得点力もアップ。連戦に耐えられる体力がついたことも大きかった。
優勝校として追われる立場になったが、ナインに慢心はない。原主将は「日本一の景色をもう一度見る」と目標を掲げ、「一人一人が主体性を持ってチーム力を上げていきたい」と春夏連覇を誓った。(今福寛子)
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