創立100周年 御正忌報恩講並びに阪神淡路大震災追悼礼拝」開催

1/12(金)、「御正忌報恩講並びに阪神淡路大震災追悼礼拝」が本校アリーナで開催されました。

今年は100周年ということで、宮城県気仙沼市より「すがとよ酒店」の菅原文子様をご講師にお招きして大礼拝形式で行われました。
聖歌隊の歌う讃歌「みめぐみの」は本校のチャイムにも使われている曲です。この日のために練習を重ね、美しい歌声を響かせてくれました。

生徒会役員による献灯・献花
生徒会長 中村陽奈 追悼文朗読

まずは、生徒会役員による献灯・献花がおこなわれ、生徒会長 中村陽奈(なかむら はるな)さん(2年生)による追悼文の朗読がありました。
朗読の後、全員で黙祷し、震災でお亡くなりになったすべての方々に哀悼の誠をささげました。

本日のご講師、菅原文子さまは、宮城県気仙沼市生まれ。2011年3月11日、東日本大震災の津波により店舗兼住宅は全壊。義父母を失い、夫は行方不明となりました。
その時のことを、つらい思いをしながらも語ってくださいました。そして、震災から約1ヶ月半後、2人の息子さんと被災を免れた13坪の場所で酒店の営業を再開し、ご自身が筆字で書いた「負げねえぞ気仙沼」の地酒ラベルがNHKで取り上げられ、全国からたくさんの応援メッセージと注文が入ったこと。
震災の年の夏、京都の支援者からの勧めで「大切な人に手紙を書こう」に行方不明の夫に宛てた手紙を投稿し、大賞を受賞したこと。
どれも悲しみの中、たくさんのご縁につながれて、「書くことで悲しみが癒やされることがある」と背中を押されたそうです。
また京都のラジオ番組に出演の依頼があり、初めて京都に来られた時に西本願寺へ参拝し、本堂でお参りをした時、なんとも言えない安堵感があったことや、京都に招いてくださった方が浄土真宗本願寺派の僧侶であったこと、ボランティアで気仙沼に来たバスが西本願寺の中央仏教学院のOBのバスであったことなど、さまざまなご縁がつながって、ご自分も中央仏教学院の通信教育課程を4年で卒業されたこと、そしてお念仏に出遇われたことなどお話くださいました。

そして、菅原さまが夫に宛てた手紙を朗読された時には、目頭を押さえる生徒がたくさんいました。
1月1日に能登地方で起こった地震についてもふれられ、たいへん心をいためておられること。東日本大震災でのことがフラッシュバックし、また能登地方の方々の思いを考えると胸がつぶれるような気持ちだとおっしゃっていました。
最後に、生徒たちに向けて「若い力が多くの人に元気や勇気を与えられます。今、スポーツや音楽、学業に励むことが復興の力になります。この学び舎で学んだことを大切に、多くの皆さまによって生かされている命を大切にしてください」とお伝えくださいました。

菅原さまの「悲しみがあるからがんばれる。体の中にたくさんの悲しみがあるから、その悲しみが私を支えてくれている。」という言葉や「つらいことがあっても決して逃げない」という言葉に、阪神淡路大震災を経験した私たちが「がんばろう神戸」という合い言葉で踏ん張った日々を思い出しました。

まもなく、1月17日、あの日から29年となります。
菅原さまのお話を通じて、今もつらい思いをされている方がいることを忘れず、今の私たちに出来ることを考え、しっかりと前を向いて歩んで行こうと思います。

「東日本大震災から10年 生かされて」
左 表紙 右 裏表紙

菅原文子さまより「東日本大震災から10年 生かされて」の著書をご寄贈いただきました。ライブラリーにて大切に所蔵させていただきます。ありがとうございました。


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